思春期外来
Pubertal outpatient
思春期は子供から大人への成長の段階として全ての人が超えなければならないハードルです。しかしそのハードルはとても簡単に超えられるものでは決してなく、時としてゆく手を阻む巨大な壁のように感じることもあるのではないでしょうか。
自我の芽生え、親からの独立、友人たちとの付き合い方、学校が楽しい遊び場から社会的な場にと、これらの革新的な変化が成長という身体的に大きな変化とともに押し寄せてきます。
なにもなくても自分の身体の変化、情緒の不安定さ、環境の変化などに対応するために苦悩しなければならない日々が続きますね。そこへなにか問題や新たな悩みが加わったらどうでしょうか。抱え込んでしまうととても辛い日々が訪れてしまいます。
そしてそれらの苦悩は必ずしもうまく言葉で語られるとは限りません。頑なに口を閉ざしているわけではなく、言葉として出てこない場合もあります。そしてそれらは様々な”症状”に姿を変えて出てきます。情緒不安定やイライラ、意欲低下などの精神的なものの他にも、頭痛、腹痛、吐き気、めまい、食欲の減退などの身体的な症状として出現することも少なくありません。結果として学校に行けなかったり、生活がうまくできなくなってしまったりします。それらは時として怠けているように見えるかもしれません。でも決してそうではなく、当人が一番しんどさを抱えて生きているのだとしたらどうでしょうか。
なにかかわったことや心配なことがあれば、些細なことでも遠慮なく相談してください。ちょっとした風邪や怪我みたいにお薬のんではい終わり、というわけにはいかないと思います。でも必ず本人にとっても家族にとっても今より楽に生活できる方法があるはずだと思います。15年以上ずっと思春期外来を続けてきました。必ず解決への道筋を一緒に考え、そして見つけていけると思っています。
なんだかお医者さんにいくのはなぁ、と考えてしまう気持ちもわかります。精神科なんて、と思うのも当然です。